インボイス制度に関して初心者の立場から質問してみた

2021/10/06 ブログ

 皆様こんにちは。TAMAアカウンティングstaff2宮本です。

 さて、2021年10月1日に、弊社代表坂本が「インボイス制度は早めの「対策」を」というブログを掲載しています。私は勉強不足でインボイス制度の詳細をこの記事で初めて学びました。そんな私が初心者の立場で読んだ感想とポイントの確認を、執筆者坂本との対話形式でお伝えしたいと思います。

 

 

(宮本)記事を読んだところ、インボイス制度は現在免税事業者である事業者にとっては大きな脅威のように感じました。免税事業者は今後

  1. 課税売上高が1,000万円以下でも適格請求書発行事業者となるために消費税を申告・納付をする
  2. 課税事業者となるのは負担があるため適格請求書発行事業者となるのを諦める

という選択をする必要が出てくるということですよね?

 

(坂本)はい、そうですね。

 

(宮本)課税事業者となるか免税事業者のままでいるかの選択というのは売上など決算書の数字や取引先の状況を見て判断していくような形となるのでしょうか?

 

(坂本)今後、1,000万円以上の売上になりそうであれば、免税事業者に固執する意義はないと考えています。
また、逆に得意先が得意先がそもそも免税事業者のみであれば、得意先における消費税計算は生じないため、課税事業者になる必要はないでしょう。

 

(宮本)制度の仕組みを見ていると、適格請求書発行事業者とならないことは、リスクも抱えてしまいそうですね。

もし課税事業者を目指す場合に課題となってくるのは

  1. 消費税納税に耐えられるだけの資金を確保する
  2. 消費税率も含めたより正確な記帳を徹底する
  3. 消費税納税に対応した決算書・申告書を作成する

といったことかと思いますが、これまで免税事業者として事業をされていた方々にとっては、とても負担の重いことですよね?

 

(坂本)そのように感じますね。
まず資金確保の面ですが、多くの経営者にとって、決算日後の税金支出は大きなインパクトがあります。資金を確保するために売上増の計画を立てることや、コストの見直しを行う必要が生じると予想されます。
記帳の面に関しても、消費税率は基本10%ですが、ご存じの通り軽減税率8%なども存在するため正確な分類が必要となります。
また、消費税計算の際に原則課税(売上に対応する仕入を集計する方法)、簡易課税(売上高から業種に応じ定められた率を仕入とみなして計算する方法)のいずれを選択するかを検討し、必要に応じ税務署へ届け出る必要があるため、処理は煩雑になりますね。
そしてもちろん、決算の面でも法人税とは別に消費税の申告書を作成する必要が出てきます。
これらの情報を整理したうえで、インボイス制度施行までに準備をすることが大切と言えるでしょう。

 

(宮本)売上の多少に関わらず、今後は消費税納付を前提により利益を生み出す経営が必要といったところでしょうか?

 

(坂本)はい。もし検討の結果、課税事業者への変更を望まれるのであれば、単純に考えて今後納付することになる消費税額だけ、資金を多く作る必要があります。
ちなみに消費税の簡易課税制度の計算方法を用いて、当該今後納付することになる金額は以下の様に概算できますのでご紹介しておきます。

 

 

納めるべき消費税額=1年間の売上高*(1-X)*10%

X:業種別に以下の率(みなし仕入率という)を代入

 

卸売業

90%

小売業

80%

農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡に係る事業を除く)、鉱業、建設業、製造業(製造小売業を含みます。)、電気業、ガス業、熱供給業及び水道

80%

飲食店業など

60%

運輸通信業、金融・保険業 、サービス業

50%

不動産業

40%

詳細は以下を参照ください。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6509.htm

 

 

(宮本)私の抱いた感想としては、小さな事業を営んでいる方々にとっては厳しい状況への変化かなと思いましたが、弊社も先般のブログに掲載されていたようなサポートをすることで、そういった事業者の方々の力になれるでしょうか?

 

(坂本)本当に、小規模企業にとっては大きな問題となりうる変化だと思います。事前にどのような対策が必要か、十分に考える必要がありますね。弊社がそのお役に立てれば幸甚です。

 

 

 いかがでしたでしょうか。私もまだまだ勉強することがたくさんありますが、このような外部環境の変化をうまく捉えていけるようなサポートができたらと思っております。もちろん、この制度に不安を持ってご相談される新しいお客様も大歓迎です。ぜひお気軽にご相談ください。