社長はいくらもらえる⁉

2021/12/08 ブログ

 皆様こんにちは。TAMAアカウンティングstaff2宮本です。コロナも落ち着いてはいますが、また変種株が出てきたということで、未知なるものは怖いですね。ようやく少しずつ経済も回ってきたような気がするのに、また振り出しに戻らないことを願うばかりです。

 

 

 さて昨日、弊社が利用している会計システムfreee主催の『「役員報酬」の決め方教えて!』webセミナーに参加させていただきました。法人の社長をされている皆様はおいくらくらい自分への「役員報酬」として支給されていますでしょうか。従業員から見ると「社長って会社の利益が丸々報酬になるんじゃないの?」とか、「社長だけがっぽり取っているんじゃないの?」などとちょっとダークで闇に包まれた感じがする役員報酬ですが、実は会計上数少ない、役員自らが意思決定しコントロールできる重要な役割を果たす科目なのです。

 

 

 ここで役員報酬についておさらいしておきます。役員報酬(定期同額給与)には基本的なルールがあります。それが以下の2点となります。

 

  1. 1.毎月同額であること
  2. 2.役員報酬の変更は、会社設立時、2年目以降は事業年度開始から3か月以内に限り可能であること

 

 つまり、一度決めてしまったら、経営状態に合わせて自分の好きなタイミングで増減させる、という訳にはいかないのがこの役員報酬なのです。このように縛りをかけることで、利益が多く出た時に役員報酬を多く取って納税額を減らす、という抜け道を封じているんですね。言われてみれば真っ当なルールです。そしてこの基本ルールの下、「役員報酬」というのはその金額を会社のお金として残しておくか、それとも社長の個人の財布に移動させるか、という違いになると言えるでしょう。

 

 

 さて、ではいくらに設定することが合理的な判断になるかというところが皆様の知りたいところだと思いますが、これに関しては一概に「月10万円がベスト」などということはできません。経営者の理念やアドバイスをする会計士、税理士などの考え方に拠るところもあります。

 

 

 昨日お話をいただいたのは税理士・公認会計士の小松秀一朗先生でしたが、この方は「可能な範囲で役員報酬は出しておいた方がいい」という立場の方でした。その理由として、以下のようなことを述べられていましたので紹介します。

 

  1. 1.言わずもがな、節税効果があること
  2. 2.いざ会社にお金が残らないとなったら、役員報酬を出してもすぐに役員から会社への貸付という形にすることや未払で残しておくことも可能であるため、資金面での対応策は残されていること
  3. 3.役員報酬を0円にするくらいなら個人の所得税がかからない月8万円程度出しておくことで、役員個人が支払う社会保険料も国民年金より安く済むケースが多いこと
  4. 4.役員のモチベーションになること

 

 などでした。小松先生ご本人も仰っていましたが、あくまでも「役員報酬を出した方がいいと考える側の立場からすると」ということですので、この回答が普遍的な正解とは限りません。いつか機会があれば「役員報酬を出すより会社に残しておくべきだ」と考える方のお話も聞いてみたいものです。

 

 

 大事なのは、ただ漠然と決めるのではなく、どういった理由で、どういった経営をしていくためにこの金額にした、と自分で考えて決定することなのかなと思います。役員報酬を決定するまでには3ヶ月の猶予があります。それまでに事業計画をしっかりと立て、設立後はどのような状況かを把握して決めていけば、納得できる答えが出てくるのではないでしょうか。

 

 

 経営などしたことのない、万年サラリーマンの私が言うのも大変恐縮ですが、それなりに考えるところもありましたのでここでお伝えします。ちなみに役員報酬絡みの節税対策としては、他にも日当や退職金としての運用もあるそうです。困ったときは専門家に相談することが1番。弊社でも色々なアイディアをご用意しておりますので是非お気軽にご相談ください。