発生主義と現金主義について。

2019/12/21 IPO
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両者の違いは以下の通り。

 

現金主義:現金預金の流れをベースとして仕訳を計上

発生主義:取引の流れをベースとして仕訳を計上

 

仕訳例(3月決算の会社)

3/31 100円の商品を掛け(ツケで)仕入

(現金主義)

仕訳なし

(発生主義)

仕入 100  / 買掛金  100

 

4/1  商品を120円で現金売上

(現金主義)

現金 120 / 売上 120

(発生主義)

現金 120  / 売上  120

 

4/30 商品代金100円を支払い

(現金主義)

仕入 100 / 現金 100

(発生主義)

買掛金 100 / 現金 100

 

さて、上の事例で一番の違いをあげるとしたら何でしょうか?

 

 

私は3月に費用計上がされるかどうかが大きな違いだと思います。

 

3月の費用計上を行わないと、納付税金の計算基礎である課税所得(収益ー費用で計算)が過大になります。その結果、抑えられるはずの税金を支払うことになります。

 

国税庁のHPでも、青色申告の最低条件として「現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳」をつけた簡易な記帳を求めています。「買掛金」は上記例で出てきました。これらの帳簿は発生主義で会計処理を行うことを前提にしているのです。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm

 

基本的に皆さま発生主義で会計処理をされていますが、月末の請求書を費用に取り込み漏れるケースは結構お見かけします。

 

発生主義が原則ですので、月末に発生している費用は取り込むようにしましょう!